a day in the life

Every day気になることをなんとなく記録していきます

バイアスをかけるな

「カメラを止めるな」TV初放送ということなんですが・・・

日本テレビの構成下手にホントにトホホで・・・

この作品だけを見せてくれればそれで充分楽しめるのに。

この作品の肝のひとつはいかに情報を得ないで作品を見るかだと思うんですけど、いきなり後半のシーンとか流しちゃうし、日本アカデミー賞の模様とか流すし・・・

副音声で監督と主要キャスト四人の撮影裏話を生でやるとかってのもなぁ。でこの監督と主要キャスト四人が見所+おすすめを発表させられるわけですが、揃いも揃って「前半37分から後が面白くなるので頑張って観てください」的なことを宣うし、果ては「ゾンビは出ますがゾンビ映画ではないので・・・」なんて言い出すわ・・・一気に見る気が失せたわっ!!

僕は劇場で観ているので、この作品の肝は堪能できたからいいけれど、これが初見の方は可哀相だよって思う。

実際、僕が劇場で観たときも前半37分を待たずに席を立った方はいた。他でもそういうことがあったであろうことは想像に難くない。このことも認識しながら番組構成を組んだのかもしれないと好意的に解釈してもいいけれど、穿った言い方をすれば、「この映画前半37分はクズなんで・・・」って言ってるみたいに誤解されかねないよ。

この作品は確かに全部見てこそ前半が活きる構成になってる。だからこそ先入観無く全部見終えたときにカタルシスが最高潮になるよう作られてるんでしょうし、そういうところが日本アカデミー賞編集賞を獲得できた要因なんでしょう。

誤解や批判を恐れずに言わせていただくとこの作品は1回こっきりの作品なんです。

好きな方は伏線や散りばめられた仕掛けの数々を確認するために何度も鑑賞されると思います。そういう楽しみ方にも耐えられる作品です。でも本質はファーストインプレッションの強烈さだと僕は思っています。話自体は1回観たらそれまで、2回目はないです(極論ですよ)。

こういう構成の作品は映画に限らず過去にもあります。それらを知っている方からするとこの「カメラを止めるな」はそんなに斬新かな、あれほど話題になるようなモノかなと思われている作品かもしれません。僕は40代後半なのですが、10代、20代の頃にこの作品よりももっと強烈に面白い1回こっきりの作品に出会っています。だから人に聞かれれば「これより面白いのを知ってるからなぁ」と言ってしまうと思います。だけど、僕が観たその作品を現代の10代、20代の人達まで届くかといえばそれは難しいことです。だって今の市場に存在していないから。それだけにこの作品の存在はきわめて重要な意味を持つと僕は思っています。だって現代の10代、20代の人達にとっては初めての「強烈な1回こっきりの作品」に位置付けられるかもしれない作品だと思うからです。

陳腐だけど、こういうことって大切だと思うんです。

それだけに、嗚呼それだけに、日本テレビの構成にトホホ感を禁じ得ないのです。

あっ、でも全部見ましたよ。やっぱり・・・面白いです。